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異分野ユニットgabriyollyさんに聞いた、『化学反応』で作品を生み出すはなし。

ご紹介するのは、本業のお仕事から一歩踏み出したところで、オリジナル作品を次々と発表されている、ふたり組のユニットのgabriyollyさん。2014年の結成後、代々木上原のCASE galleryでの展示会、伊勢丹新宿店へのポップアップストアの出店など、活躍の場を広げられています。バナナとキウイ、生姜とオレンジなどの異色感のあるものを組み合わせた柄のテキスタイルで作られた作品の数々はどれも、かわいくてちょっと不思議。そんなアイディア溢れるものづくりへのこだわりや熱い想い、そして新しい試みに挑戦していくこれからのことを、自身もgabriyollyさんの熱烈なファンであるminneの阿部が、たくさんお伺いしてきました。

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ものづくりって楽しいよっていうことを、発信していかないとダメだなって

2014年から、gabriyollyさんとしての活動を開始されたということですけど、それ以前のお二人は、それぞれどんな活動をされていたのですか?

澁谷 私は本業で先生をやり、それと並行して共同作業として神戸のファッション美術館に所蔵される作品の復元のお手伝いをしていました。例えば、マリーアントワネットとかの時代の、すごく(スカート部分の広がりが)大きいドレスなどがどういう作りで、どんな布で出来ているのかというのを、実際に現物を隣に置きながら採寸してパターンを作るという、本当に素晴らしい機会に技術協力者として参加させてもらってます。私はプリントの研究をしていて、図柄の写真を撮って、それをデジタルプリントして、柄からタックを取っていくといった、未だかつてないやり方でやっているんです。当然それらって全部、ハンドメイドなんですよ。それこそドレスは一点物で「◯◯女王様のためのドレス」みたいなものばかりで。パターンを見ていくと右利きか左利きかまでわかるんですよ。それと、布の重なりになると採寸だけではできないから、柄をみて、タックをとって、どのくらい重なっているのかなっていうことをやっていって…。

先生であり研究者なのですね。

澁谷 そうですね。きっと、たまたま私がテキスタイルの研究をしていたからこそ声がかかったのだと思います。あと、最近ではデジタル織物という新しい技術を使って、元は手で織っていた織物を、どこまでデジタルで再現できるかという試みを、生地の企業とコラボして目黒の美術館で展示をさせてもらいました。

すごい。かなり最先端な仕事をされていますよね。ファッションに関しては、国を挙げて補助する文化があるフランスなどと違い、日本はそういったものがまだ少ない印象ですよね。日本でもそういったところをうまく引き上げていけると良いですよね。

澁谷 そうなんです。なので、ものづくりの良さを、主婦のレベルから作り上げていくminneさん、私はとてもいいと思います!

ありがとうございます! 嬉しいです。

澁谷 ものづくりって楽しいよっていうことを、ものづくりを教えている私のような人たちが発信したり、コミュニケーションを取ってバックアップしていかないとダメだなって思うんです。

自分で手を動かしたり、作家さんの作品を見て「私も作ってみたい!」と刺激を受けてやってみたりしながら広がっていくと良いですよね。

山崎 僕らは、これまでかまわぬさんや旅するコンフィチュールさんというお菓子を作られている方とのコラボレーションだったり、私たちがデザイン・製作したテキスタイルとは別に、他のテキスタイルデザイナーさんとのコラボレーションで生まれたテキスタイルを発表したりしています。今後はもっと、いろんなジャンルのクリエイターの方々と一緒にものづくりが出来たらと思っていて。minneさんで販売されている作家さんと交流を深めて「gabriyolly meets ~」の新作が出来たら面白いですよね。

「gabriyolly meets かまわぬ」
「gabriyolly meets 旅するコンフィチュール」
(写真提供:ともにgabriyolly)

ぜひぜひ! 生地を作っている作家さん同士がそれぞれ生地を交換し合って新しい作品を生み出す、なんてことも起きたりすると楽しいですよね。

澁谷 私たちもこれから、作品制作にいろんなパターンが生まれるのかなと想像しています。

山崎 そういうことも、普段からちょっと目論んでたりするんですよね(笑)。あと、minneさんには、テキスタイルというジャンルもあるので、それまで売り方をどうしようかと悩んでいたテキスタイルも発表できるので助かります。私は、hiyocostudioという名前で、主に広告製作のアートディレクターをしていまして、例えば、企業のポスターを作るというようなデザインに関わる事やロゴマークなどを作るCIみたいな仕事や、何かの宣伝における空間演出もやっています。なので、gabriyollyで展示をやる時には、いわゆる美術的な展示の方法論というより企業のキャンペーンを作るときの感覚で作りますね。gabriyollyのブランドを、私の方で総合的に構築して整理していく感じですかね。

澁谷 こういうところが心強いなって思いますね。お互い出来る分野が違うから「あ、こう思うんだ~」とか「私はこう思うよ」って、より良くするためにお互いが擦り合わせていくことができるんです。

その結果、お互いに表現の幅が広がって、初めに思ってもいなかったような仕上がりになることもあるでしょうね。

ピンクの四角いドーナツが描いてあったんですよ。丸じゃなくて。それを見て衝撃が走った。

おふたりが作家活動を共にしていくに至った経緯をお伺いしてもいいですか?

澁谷 私、山崎の手書きが好きなんですよ(笑)。出会ったきっかけは、2年前の春に共通の知り合いのアクセサリー作家さんの展示会で、「どこで活動しているんですか?」と聞いたら、「ここ(ものづくり学校)」と言ってたので会いに行ったら、持ってたネタ帳を惜しげも無く見せてくれたんですよ。

山崎 普段はネタ帳を見せたりすることはあまりしないんですけど、いつか何か一緒にできるといいなという期待と、自分はこういうことをやりたいんだということを伝える意味でネタ帳を見せたんですよ。

澁谷 そしたらそこに、ピンクの四角いドーナツが描いてあったんですよ。丸じゃなくて。それを見て衝撃が走ったというか、「あ! このタッチと、こういう考えっていいな」って思って…。私はこう、と思ったらすぐ行動を起こす人なんです(笑)。

山崎 自分にとって、手描きというのはメモ程度だったんですよ。でもそっちのタッチが良いと言われたのが衝撃で。なるほど~と。これです、持ってきました。バナナのシリーズを描く時に色々メモを…。今のタッチに近いですかね。

澁谷 このタッチ良いでしょう? サクサクって描くんですよ。

山崎 どこか一箇所が変わると奇妙に見えるよねっていう話になって、磁石の柄をつくったり、こんなようなものを描いて、いろいろ試行錯誤していましたね。こういうのを一枚一分くらいで描きためていて。

良い! さすがアートディレクターっていう感じがしますよね。

「ガブリヨリ」って言葉が前に行く感じでいいよね

澁谷 出会ったその時は、いろんな友達の一人としてインプットされたんですけど、それから半月後くらいに、京都の恵文社で展示をしてみないかっていう話をもらって…。その瞬間に「山ちゃんの絵でテキスタイルを作って服を作りたい」って浮かんだんですよ。ピーンと思いついて! すぐに「こういうことしたいんだけど」と連絡して…。私はとにかく、分野が違う人たちが集まって何か面白い事がやりたいと思っていたので、まさにこれだ!と思って。

山崎 当時、いざチームでやるってなったのはいいけど、テーマを設定してまとまりは作らないとなって、プロデューサー的な悩みがありました。(イラストを指しながら)この辺のくだものとかでテキスタイルをやるのがいいよねとか、アロマも入れるんだったら果実の香りも考えられるし、フォトグラファーの人にも説得ができるし…なんて、いろいろ考えていったら、ストレンジ・フルーツ(奇妙な果実)というシリーズが出来て、一気に視界が開けたんです。

へえ、面白いですね。ちなみに、gabriyollyの名前の由来ってなんですか?

澁谷 私たちは、物事を前向きにどんどん押し出していきたいっていうコンセプトを持っていて、いろんな単語をみんなで調べていたら、「ガブリヨリ」って言葉が前に行く感じでいいよねってなって。だけどそれ、相撲の決まり手じゃん!みたいな(笑)。でも、一週間後くらいにはロゴが出来てて。

すごい。何かが生まれる時ってそういう感じですよね。次々とアイディアが出てきちゃう。

山崎 普段の仕事で解消できないストックがたくさんあるんですよね。とはいえ「産みの苦しみ」は、全くないわけじゃないんですけど、割とお互いが普段「これは面白いよね」っていうストックを、会えたときに見せ合ったりするんですよ。その時に「あ、これは、こうしたらいいんじゃない?」っていう掛け合わせで、いろんなものができあがる、みたいな。

澁谷 お互いに別々のところでやってきたから面白い化学反応が生まれたんだと思いますね。二十歳の頃とかに出会ってたらこうはならなかったんじゃないかと思うな。

gabriyollyの活動の中でアイディアを溜めていく以外では、何かありますか?

澁谷 私は16歳から服を作っているんですけど、10年前くらいから、作りたい布が無くなっちゃったんです。じゃあ、布から作ればいいじゃん!って。自分が本当に着たい服を作るために、新しいテキスタイルをどんどん作っていって。それで、新しいデザインや、新しい服作りの技術っていうものを広げていきました。

なるほど。興味の部分を深堀していくなかでだんだん溜まっていった、ということなんですね。山崎さんの方は、どうですか?

山崎 普段から自分が面白いと思うことを提案するんですけど、予算だったりクライアントさんの好みだったりと色々な要素があって提案が通ることってほんとに稀なんですよ。そうすると通らなかったアイディアが自然と蓄積していって。「これはどうしてもやりたい!」みたいなものも残ってくるんです。いつか何らかの形で実現したいなと、それを捨てずに取っておいて…。アイディアはそうやってストックされる、というのはありますね。

なるほど。ものづくり学校にいらっしゃるということは、ポイントになっているんですか?

山崎 そうですね。gabriyollyでつくっているものは「made in 澁谷麻耶」でもあるんですけど同時に「made in IID」だったりするんです。実はスマホケースのプリントはインクジェットなんですけど、ここ、IIDに入居されているインクジェットの業者の、BELLEIMAGE(ベレイマージ)さんにお願いしているんです。

これ、本当にインクジェットでプリントしたの?という仕上がりですよね。

山崎 ワンフロア離れているだけなので、BELLEIMAGEさんとは「こういうデザイン考えたんだけどやってもらっていいですか?」みたいに気軽にやり取りして作品をテストしたりできるんです。

自分の持ち物一つもやっぱりかっこいいものじゃないと。全部含めて私たちのブランドですし

すごく良い環境ですよね。ケースへの印刷やシールの出力などこれだけ整っている場所って、意外と見つからないですよね。

澁谷 ほとんどココで出来ちゃいますからね。私たちがお互いに共通しているところとして、パッケージまでが私たちの商品って思えていることですね。物はかっこいいけど入れ物がダサいとか嫌なんです。ハンカチとかも真空パックにするのは結構大変なんですけど、もらった時にかわいい袋に入ってたら嬉しいでしょ? 自分の持ち物一つもやっぱりかっこいいものであってほしいし、見られることも意識していて、こういう人がこういう物作るんだっていうことも含めて、全部私たちのブランドだと思っているんです。

山崎 そうはいってもなかなか、貫くのも難しいですけどね。みんな物を見るとこれいいね!ってなりますけど、パッケージは気にしない人が周りには多くて。それはとても残念だなって思ってたんですよ。澁谷がパッケージにこだわる人だったっていうのはすごいラッキーで。逆に自分としてはそこが嬉しかったところで、ありがたかったなって思います。

山崎 パッケージのこだわりで特に気に入っているのは、壁紙がダウンロードできるサイトまで作ったところですね。パッケージにQRコードが印刷されていて読み込むとサイトが表示されます。

澁谷さんの壁紙を見た時にすごくかっこいいな~と密かに思っていたんですよ。サラっと出した時にカッコイイ~と思って、「欲しい!」という物欲が刺激されました。

澁谷 ありがとうございます。うれしい~。そういうのを聞けるのが一番うれしいんです。

違う分野の方達と一緒に何ができるのかっていうことを模索したい

2016年の今年、新しいシリーズをスタートさせるというのは、どういったきっかけがあったのですか?

山崎 同じシリーズを展開していくことも大切ではあると思うんですけど、私は「gabriyolly = ストレンジ・フルーツ」が定着する前に、別なことをやっておきたいと思ったんです。作り手としては、もっといろいろ挑戦しておきたいなと。

澁谷 「私たち、これだけじゃないよ」って。テーマによって、いろんな分野の人と面白いことがしたいんですよね。どんどん新しいシリーズをつくっていくことで、違う分野の方達と一緒に何ができるのかっていうことを模索したいんですよね。

本業のお仕事とクリエイティブな活動の2本柱ですけど、どういうふうにバランスを取られているんですか?

澁谷 普段はお互い別の仕事をしているので、夜から活動をはじめる感じです。いわば夜間活動ですね。先生業を20時ごろに終えて、それからここに来て21時くらいからやって、24時に終わればいいよねって感じです。

山崎 展示の前とかは、話さなくちゃいけない事もたくさんあるんで、夜中の2時とか3時までかかる日もあります。でも楽しいですからね。自分の好きなことやってますから。好きなことに没頭してると夜更かししちゃうじゃないですか。あれに近いと思うんです。

アイディアを形にする過程で、苦労された部分ってどういったところがありますか?

澁谷 やはり、布物とそうじゃない物との勝手の違いに苦労しますね。物の大きさによって、テキスタイルのパターンの大きさを変えて、色、形を見て配置していくので細部までこだわりますし。柄を同じサイズで使えないので。でもその、大きさ何パーセントでって部分は山ちゃんがやってくれるの(笑)!

澁谷 あと、価格設定問題かな…。これだって本当はめっちゃ高く売りたい!(笑) 作品に手をかければかけるほど、思い入れが強くなるんで高く売りたいなって思う一方で、買ってくれる人はそんな手間のことは分からないじゃないですか。だから難しい~。

山崎 その辺の価格設定の話は、お互いに「自分だったらいくらで買う?」という感じで言い合って…。あとは自分の身の回りの人に相談ですかね。

澁谷 これ、伊勢丹では5,000円で売ったんだよね~。あまり売れなかった…。

山崎 そう。これは別のECサイトで売っていた時期もあったんですけど、全然売れないのでやっぱり良い写真があればそれでOKというわけではないんだなって思いました。売るためには人が集まるかどうかも重要なので、これからminneで売りたいなって。

やったからこそダメだったってことも分かったりしますよね。前向きな失敗っていうのかな。

澁谷 gabriyollyの活動をやっていて思うことは、以前コラボしたかまわぬさんもそうですけど、自分からやりたいって言い続けていると案外、いいよってお返事いただくことも多いんです。

山崎 そして、やるなら普段かまわぬさんがやらないようなものを作りたいねってことも思いまして。ちょうど、イチゴのへたを星に見立てて星座をつくるアイディアがあったので、それを蓄光プリントでやろう!って決めました。

澁谷 結果は大成功! かまわぬさんとコラボするって言ったら、それをめがけて来てくれるファンの人がたくさんいて、SNSでどんどん拡散されました。

山崎 「光る手ぬぐい」っていう新しいジャンルができましたしね!

すごいです! 今までにないシリーズっていうのは楽しいですよね。新しい技術が入っているというのも素敵です。

「gabriyolly meets かまわぬ “ICHIGO Stars”」(写真提供:gabriyolly)

山崎 伊勢丹での期間は一週間だったんですけど、確か3日目くらいでなくなりました。

澁谷 やりたいなって思った時に、まず動いてみるって大事。言ってみてダメだったってことはもちろん、やったからこそダメだったってことも分かったりしますよね。前向きな失敗っていうのかな。

山崎 失敗が次につながればいいんですよね。動いてみないと何にも始まらないですから。

伊勢丹新宿店で、ポップアップショップをやるというお話を聞いたときどうでした?

「gabriyolly展~奇妙な果実との出会い~」(写真提供:gabriyolly)

澁谷 最初は、叫ぶくらいやったーっ!て思ったんですけど、現実を見るとだんだん、大丈夫かな~、私たちできるかな~って思ったよね(笑)。

山崎 何が一番大変だったかというと、最初に商品リストを提出したときに、売り場スペースに対して商品の数が少なすぎると言われたことなんですよね。ハンドメイドのものをどう大量に作っていくかっていう問題に直面して。それで、商品を多く用意することと同時に、展示にボリュームを持たせた見せ方を試行錯誤して考えていきました。

なるほど。伊勢丹さんからこれくらい必要だと言われていたボリューム感からすると、商品の数は少なめだったということですか?

山崎 缶バッチのような細々とした物は作れるので、数はギリギリクリアできた感じですね。でも始まってみたら、もっと作ればよかったなっていうものもあったり、売れ残っているものもあったりして…。

あと、ぜひお聞きしたかったのですが、インターネットの活用の場としてminneを選んでいただいた理由はありますか?

山崎 プライベート的なことで言いますと僕は、IID 世田谷ものづくり学校に入居しているのでminneのアトリエさんとのご近所付き合いであったり、澁谷と阿部さんがお知り合いだったりすることでしょうか。

澁谷 私は、「服を作ること」や「物を作ること」って楽しいし面白いことだよっていうことを買う人はもちろん、作り手の人たちとも共有して刺激し合えればいいなって。minneを通じてそんな活動をしていきたいなって思ったんですよね~。

嬉しいです! 作り手の方にもっていう視点。まさに、今回のインタビューにぴったりですね(笑)。

澁谷 私たちみたいに伊勢丹のイベントで活動をしてる人もいたり、minneっていろんな作り手さんが参加していているのが良いなって思います。すごい物を作っている人もたくさんいるから負けてられないです(笑)!

ものづくりされている作家さんってけっこう孤独なんですよ(笑)

minneで今後してみたいことや、期待していることって何かありますか?

澁谷 若い世代の人たちもどんどん参加していけるようにワークショップのような、まずは体験をしてみるっていう取り組みを、これからも提供し続けていってほしいなって思います。日本ってものづくりの国なので、私もいつかやってみたいなっていう希望が持てるような広がり方が理想ですよね。

そうですね。まさにminneのアトリエはそういう場所でもあるので、ものづくりの相談ごともどんどん持ってきていただければなと思っています。

澁谷 もちろん一人ですることも大切なんです。でも、相談できる相手がいると、「あ!こんなことできちゃうんだ」って気づけることもありますよね。一人ひとりの作家さんがminneという場を通して交流することで、繋がりが生まれるって素敵だと思います。

山崎 例えば、gabriyollyが発表したテキスタイルを使って他の作家さんがスカートを作ったりね。僕らは、他のジャンルの人とやるときは、「gabriyolly meets 〜」シリーズといって、「gabriyolly meets 旅するコンフィチュール」や、「gabriyolly meets かまわぬ」と、相手のフィールドに入りながらgabriyollyのフィルターを通して形に落とし込んだものを制作しています。今後、「gabriyolly meets minne」という形で、例えば気になっているminne作家さんたちと我々が一緒に何かやっていく企画なんてできたら面白いと思いますよね~!

澁谷 そうそう。ものづくりされている作家さんってけっこう孤独なんですよ(笑)。

イベントなどを開催すると作家さん同士で交流できるので、仲良くなってその後コラボレーションされたという話をお聞きすることもありますね。

澁谷 そうですよね。たまたま隣だったからっていう理由で仲良くなったりしますもんね。

カワイイものをカワイイままで見せることが果たしていいのか

世の中にブランドを定着させていく上で、gabriyollyさんが気をつけられていることって何かありますか? 

澁谷 私たちはテーマとして「置いているだけで絵になる」みたいな、飾っておきたいものを作っていきたいと思っています。

山崎 使う人を限定させず、多くの人に使ってもらうことを考えた時に、パッケージのデザインは無印良品くらいベーシックなものにしようと考えました。実際、そうすることで作品が引き立つこともありますし。

自分の作品の世界観に合わせてパッケージを作るというのは、統一感を出す方法の一つだと思うんですけど、お二人がやっていることって、そこにギャップを生むことですよね。

山崎 そうです。そこが伝えられるといいですね~。バナナ切ったらキウイの柄とかって、やっぱりパッと見だとバカっぽい柄じゃないですか(笑)? だけど、これに説得力を持たせているのがgabriyollyのロゴマークだったり、パッケージだったりすると思うんです。カワイイものをカワイイままで見せることが果たしていいのか。ブランドとして考えていくには、その辺のバランスなんですよね。

そういう意味ではminneも一緒で、世の中の人のハンドメイドに対するイメージを高めたいなと思っているんです。今までセレクトショップや百貨店で既製品を購入されていた人が、ハンドメイドの魅力に気づいて、自分に最適なモノに出会って買うという文化ができるといいなと思っています。

2016年の新シリーズ「invisible」は、テーマが『みえないもの』。実験的というか挑戦的な作品が多かった印象ですが、今後はどんな活動を予定していますか?

山崎 職人さんのようにこの方法だけでって、こだわりを持たれている方もいると思うんですけど、私たちは後に残るような新しいことをやりたいなって希望があるので、「トライ&エラー」は続けていきたいなって思います。

これまでも、当時の職人さんの最先端の加工や技術が今、伝統工芸と言われるわけですしね。その時代の新しい技術だったり、表現の方法を定着させて次の作品を生み出すっていうのは大切ですよね。

澁谷 でも、出来上がりがかっこいいものでないとね、新しい技術も注目されずに廃れてしまうかもしれない。そこにチャレンジしている感じですね~。

山崎 やらない限り形にならないかなって。gabriyollyは結局、それの連続なんですよね。

今後の活動も本当に楽しみです! 今日は素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。

プロフィール

I prof

gabriyolly(ガブリヨリ)

文化服装学院専任講師の澁谷麻耶とグラフィックデザイナー(hiyocostudio)の山崎正樹を中心に異分野のクリエイターが集まってできたユニット。2014年結成。