ひょうたんランプ作家・bunbun383さん「くるくると表情を変えるひょうたんランプに恋して」

「ひょうたんランプ」とは、くり抜いたひょうたんの中に、LEDなどの灯りを入れた作品のこと。その幻想的な世界観は、見る人を一瞬でとりこにします。今回は、まるでアートのようなひょうたんランプを生み出しているbunbun383さんのアトリエにお邪魔しました。

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幻想的な光に包まれて

「お邪魔します」。玄関で靴を脱いで室内に一歩足を踏み入れると、昼間にも関わらず、壁一面に幻想的な光を映し出すひょうたんランプがお迎えしてくれました。「少し薄暗い空間でも十分にひょうたんランプをたのしんでいただけるんですよ。ただ、夜の美しさは比べものになりませんけどね」と、bunbun383さん。さっそくお話をおうかがいしました。

ひょうたんランプの制作は、いつごろからはじめられたんでしょうか?
bunbun383
5年ほど前に、ひょんなことから「ひょうたんランプ」の存在を知ったんです。そのときに「すごく素敵!」と思うと同時に「自分でつくってみたい」と思って(笑)。インターネットで検索したら、ひょうたんランプ制作キットを見つけたのですぐに購入しました。そこがスタートですね。

約5年前に制作されたひょうたんランプ(右)。「経年変化もたのしんでいただけるのが、ひょうたんランプも魅力のひとつです」


「欲しい」ではなく「自分でつくってみよう」と考えられたのがおもしろいですね。
bunbun383
ものづくりを仕事にしたことはなかったんですが、母の家系に器用な人が多かったこともあり“つくれるものは何でもつくる”という発想の中で育ったんです。

実際に購入したキットで制作してみて、どうでしたか?
bunbun383
“意外とできる!”というのが正直な感想でした(笑)。そこからは、ひょうたんを売ってくれるところを自分で探しては購入し、制作を続けていました。そのうち「購入したい」と言ってくださる方も少しずつ現れだして、こんなのでいいのかな?という不安を抱えつつ販売したり…。そんなことを繰り返しているうちに、まわりに「本格的に売ってみれば?」と言われることが多くなり、半信半疑でminneに登録してみたんです。すると、ひとつ売れ、またひとつ売れ…と、予想以上に購入してくださる方が多くて、本格的に作家活動をスタートさせることとなりました。

絵柄はどのように考えているんですか?
bunbun383
すべて、手を動かしながら考えています。ひょうたんに直接鉛筆で下絵を描くのですが、ひと筆入れると、バーッと頭の中にイメージが広がって、勝手に手が動くような感覚になるんです。幼いころから絵を描くこと、そして、動物が好きだったこともあって、どこかに動物が入った柄が多いかもしれません。


すべて独学、ということですか?
bunbun383
そうなんです。柄はもちろん、制作についてもすべて独学。試行錯誤を重ねながらここまできました。

ひとくちに「ひょうたん」といっても、その形や大きさはさまざま。


独学で技術を習得するうえで、ご苦労はありますか?
bunbun383
ひょうたんは自然のものなので、皮の厚さや形がそれぞれ違うんです。それを、手の感覚でわかるようになるまでは、失敗も多かったですね。力を入れすぎてひびが入ってしまったり、想定外の場所まで切り抜いてしまったり…。道具ひとつに関しても、ひょうたんランプ専用の道具は販売されていないので、さまざまな用途のものを試しながら、自分に合うものを見つけました。

ひょうたんを使って制作された、小物入れ。


頭の中で、どういったことを考えながら制作されていますか?
bunbun383
やはり、実際に灯りをともしたときの見え方ですかね。ほとんどのひょうたんには特徴的な“くびれ”があります。このくびれ部分の絵柄は、光として浮かび上がりにくいので、そのことを考慮しながら考えています。

制作するうえで、いちばんのたのしみはどんな瞬間でしょう?
bunbun383
カッターで切り抜く作業です。コツをつかむまでに苦労した工程でもあるのですが、柄に命が吹き込まれるような感じがして、何か好きなんですよね。家の中でマイペースに作業できるっていうのもポイントだったりします(笑)。

手の感覚を研ぎ澄ます

下絵、そしてカッターで切り抜く作業以降は、ベランダの小さな作業台で制作されているとのことで、道具を見せてもらいました。

こちらの作業台、ベランダのスペースに合わせて自作したのだそう。手前には道具が置けるよう、仕切りが設けられています。「ホームセンターに行くのが趣味、というくらい通っています。目的は特に持たず店内をうろうろしながら“何かつくれないかな〜”と考えていますね」

まるで歯医者さんのような道具ですね。
bunbun383
作業中の音も、まさにそんな感じですよ(笑)。これを使い分けて、穴を空けたり表面を削ったりという作業を行います。粉がたくさん出てくるのでこの作業はベランダに設置した作業スペースで行っています。もちろん外の作業なので、冷房もなければ暖房もない。そのため、夏は暑くなる前の早い時間に、冬は日差しが差し込む昼の時間に…自然に合わせて外で作業しています。四季を感じられるので、なかなか気持ちのいいものです。

ひょうたんランプの魅力はどんなところなのでしょうか?
bunbun383
昼と夜の表情がまったく異なるところが最大の魅力だと思います。それから、ひょうたん自体が自然のものなので、形や質感、色など、ひとつひとつに個性が備わっているので、見ているだけでかわいらしく、愛おしいんです。この形はランプにようかな、小物入れもつくってみようかな、なんて、アイデアが尽きないんですよね。飽きっぽいわたしが唯一飽きずに続けられているのは、そういうところに理由があるんでしょうね。


最後に、今後の夢を教えてください。
bunbun383
これからものんびり制作を続けていけたらいいなと思っています。そしていつか、ひょうたんランプだらけのカフェをオープンしたいです。夕方からオープンして、幻想的な空間をたのしんでいただけるようなお店にできたら最高ですね。
bunbun383
ひょうたんランプ作家として活動。絵本の世界から飛び出したような、幻想的な絵柄を中心に販売。
https://minne.com/@bunbun383



取材・文 / 堀田恵里香  撮影 / 中村紀世志