【1,000万分の1作品】わたしの「語りたい作品」<1>

作家さんの想いを込めた作品のひとつひとつが集まって、minneの公開作品数が1,000万点を突破しました。ギャラリーに並ぶ作品の中から「語りたくなる作品」を作家さんに選んでいただき、お話をうかがいました。

作品の物語

minneが誕生したのは2012年のこと。たくさんの作家さんに恵まれ、想いを込めた作品のひとつひとつが集まって、このたびminneの公開作品数が1,000万点を突破しました。

多くの作品が日々生まれていく中でも、はじめて制作した作品、転機となった作品など、作家さんにとっての特別な作品があるに違いありません。そこでSNSにて作家さんにとってのかけがえのない「1,000万分の1作品」を募集。その作品にまつわるエピソードを語っていただきました。

百々歳 hundred-year-oldさん
「走るオオカミブローチ」

百々歳 hundred-year-oldさん
わたしは小さい頃から絵を描くことが好きでした。応援してくれる両親の存在もあり、物心ついた頃から絵ばかり描いていました。

描きたいけれど思うように描けない、ということは時々ありました。ところがいつの頃からか一体なぜなのか、絵を描きたいという気持ち自体がわいてこないことに気付いたのです。

このまま絵を描くこともなくなるのかなと、寂しい気持ちと両親へのとても申し訳ないという気持ちでした。

そうしているうちに結婚して、子どもを授かり、子育てに追われながら毎日を過ごしていたある日、SNSを通して友人たちの活躍、奮闘ぶりを知りました。当時の自分にはそれが眩しすぎて「わたしも今、何か行動を起こさなければ」と…

消極的なわたしが何故あんなに行動的になれたのか今でも不思議に思います。「minneに作品を出品しよう」と思ったのです。

当時、子ども服を購入するのにminneアプリを使っていました。そこにわたしも自分の作品を出品しようと思いました。絵は描かなくなっても、ものづくりが大好きな気持ちは変わっておらず、育児中は娘のスタイやベストをつくったり、パンを焼いたり、とにかく何かをつくり続けていました。

「minneに出品する」という目標をもって、数年ぶりに鉛筆を持って描いたのが「走るオオカミ」でした。野生にたくましく生きる動物の中でも、オオカミの持つ見た目の美しさ、家族構成の面白さや生きる上での知恵、残酷さ、そのすべてに圧倒され、惹かれた気持ちを込めました。絵を描く感覚が全く分からなくなっていたので、大好きなオオカミをとにかくしっかり描こうと思いました。

でき上がった絵をパソコンに取り込んで、プラ板に印刷する。制作の過程を試行錯誤しながら完成したのが、この作品です。

「走るオオカミブローチ」を制作したことは、人生のターニングポイントだったと言ってもいいほどだと思っています。今でも、あのときの自分に「ありがとう」と言いたくなります。再び大好きな絵を描きはじめる、そしてハンドメイドの世界に一歩踏み出す勇気ときっかけをくれた大切な作品です。

アクセサリーの方が身近で手に取りやすいと思うのですが、今後は「絵画として」たのしむ作品も制作したいと考えています。それを元にした雑貨もつくってみたいですね。やってみたいことはたくさんあるのですが、今はハンドメイド制作を長く続けていけることを一番の目標にして、日々少しずつ制作しています。


百々歳 hundred-year-oldさんにとって「走るオオカミブローチ」は、自身が再び大好きな絵を描きはじめる、再出発のきっかけとなった作品でした。

【百々歳 hundred-year-old】さんの作品一覧

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てまり樹さんの
「真珠-Pearl-」

てまり樹さん
父方の祖母が、大きなてまりをたくさんつくっていて、子どもの頃から興味をもって見ていました。結婚して数年後に偶然、妻がてまりのキットを購入したことで幼い頃の記憶が蘇り、わたしも余った糸でてまりをつくってみたことが、制作のきっかけなんです。

ある日、妻に「てまりストラップ」をつくってプレゼントしようと思い、好きな色を聞きました。「ひとりでは選びきれないから」と娘たちを呼び、みんなでワイワイ盛り上がりながら色選びをしていました。

妻と上の娘が好きな淡いピンク、そして下の娘が好きな紫色を取り入れて制作をすることに。てまりのモチーフはかがる順序が決まっているので、組み合わせ次第では全くイメージと異なる雰囲気に仕上がってしまうこともあります。数種類ある色をよりイメージ通りに纏めるために、使う色の順番を何度も頭の中で組み合わせて配色パターンを試します。妻と娘たちの好きな色をベースに、色の足し算や引き算をしながら納得できる配色に仕上げていきました。

そうして完成したのがこの「真珠-pearl-」のてまりです。作品を見た妻と娘の第一声は「かわいい!綺麗!ほしい!」でした。みんなのよろこぶ顔は忘れられません。

後にリクエストでミニバージョンの「真珠-pearlてまりストラップ」も制作しました。ミニてまりバージョンは、チェーン金具やパーツ合わせ、てまり表面の装飾などの最終仕上げにも、妻の好みを取り入れ、より繊細に可愛らしく仕上げています。

わたしはデザイン専門学校に通っていたので、パッと目を惹くコピーやパッケージがあれば、ノートやPCに記録したり写真で残したりしています。色選びは、花・木や風景などの自然からくるインスピレーションをヒントに制作をすることが多いのですが、家族の意見を参考にすることで、自分ではあまり選択しない配色やパーツ選びなど、仕上がり後に新たな発見に気づくことがありました。

今後はよりたくさんの、日本伝統のてまりモチーフにチャレンジしたいです。最近制作をはじめた“un fruitシリーズ”のような、てまりとビーズ刺繍を融合させた新しいタイプの作品も、どんどん種類を増やしていきたいですね。てまりがひとつ仕上がるごとに、娘たちも必ず見に来るので、女性目線の意見も参考にしながら、これからも作品をつくり続けていきたいと思います。

てまり樹さんにとって「真珠-Pearl-」は、家族の“好き”を詰め込み、つくりあげた思い出の作品でした。

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ひとつひとつの作品に、まつわる物語があります。Twitterでハッシュタグ「#ミンネ1000万分の1作品」で検索をすると、さまざまな作家さんの「作品」に関するエピソードをご覧いただけますのでぜひ、チェックしてみてください。

次回の「語りたい作品」をおたのしみに。

取材・文 / 西巻香織