読む、ものづくりvol.7『すばらしき手描きの世界1』

編集部が見つけた、みなさんの「ものづくり」の気持ちを刺激する、おすすめの本をご紹介します。「つくる」息抜きに、または「つくる」きっかけにしていただけたらうれしいです。

本との出会い

街を歩いていると、カフェやショップの看板に描かれたおしゃれな手描き文字やイラストに目が留まります。黒板×チョークのシンプルなものから、ガラス窓や大きな壁に描かれた大胆なデザインまで。「おお、全部手描きだ…!」と、ついつい立ち止まって見惚れてしまいます。そんなときに手にしたのが、今回ご紹介する『すばらしき手描きの世界1』です。

その名はチョークボーイ

黒板チョークアート・手描きグラフィックの第一線を走るCHALKBOY(チョークボーイ)さん。

著者であるチョークボーイさんは、手描きグラフィックの魅力を広める黒板描きアーティスト。

「僕は、“手描き”というまったく新しくも何ともないことに魅了されてしまい、それ以来黒板描きという活動と平行し、ワークショップをたくさん開催してその魅力をお伝えしてきました」。(本文から引用)

この本では、そんなチョークボーイさんが全国各地で描いてきた、ショップの看板やイベントでの黒板アートが数多く紹介されています。海外からも注目を集める、その表現力と手描きと思えぬクオリティに驚くばかりです。

カフェ店内の5mの大きな壁に描かれた黒板アートは、圧巻。

手描きの世界へ

わたしが“手描き”と聞いてまず思い出すのが、自由帳にひたすらお絵描きをしていた幼少期。紙と鉛筆さえあれば、自由な想像を広げられる世界にどっぷり浸かっていたあの頃は「贅沢な時間だったな…」と、ふと目を細めてしまいます。

お手本もたくさん掲載されている、この書籍。すっかり“描く”ことから遠ざかってしまいましたが、挑戦してみようと思います。

では、さっそく

紹介されるチョークやペンは、100種類以上の画材を試して選ばれたチョークボーイさん愛用のラインナップ。

今回は、本中でおすすめされている日本理科化学工業のダストレスチョークを使ってみることに。天然素材でつくられた、粉が飛び散りにくいチョークとのことで初心者でも描きやすそう。他には、マスキングテープと黒板を用意します。

「基礎を学ぼう」の章では、文字、イラスト、装飾の項目を、ひとつひとつ試していくことができます。ゴシック体と筆記体どちらを使ったら効果的か? など目的に合わせた選び方のポイントもわかりやすいです。

無線綴じでページがしっかり開くので、手を離してだいじょうぶ。

「手描きグラフィックを描いてみよう」の章では、一連の手順がコマ割で説明されているのがうれしいところ。完成作品だけではわからない、制作の裏側や道具の使い方をその場で教えてもらっているような感覚です。

Let’s Draw!

社内のリフレッシュスペースにある黒板を使って、即席の看板をつくってみることにします。「だれでも自由に使えるスペースだから、WELCOMEがいいだろうか…?」と考え、こちらのウェルカムボードのページを参考にして描いてみることに。

「むむ、難しい…」。マスキングテープを文字の下部に貼り、ガイドラインにしてその上に等間隔に文字を描いていきます。WとMは幅を広めに取って。バランスを見ながら、1文字1文字丁寧に手本を見て進めていきます。

歪んだりはみ出したりしてしまうので、思い通りにはいかず何度もやり直し。それでも、“手描きならではの味わい”が何より大切だ! と信じ、完璧ではなくてもすこしずつ描き進めました。

そして、完成

試行錯誤しながらも、無事に完成しました! 手本の構図をベースに、紹介されている装飾やイラストのパーツを組み合わせ、minneスタッフがわいわいたのしんでいる様子を表現してみました。さっそくリフレッシュスペースに置いてみると、みんなの集う場がさらに明るくたのしい雰囲気に。

読み終えてみて

本を手にしたときに感じたワクワク感。人の手が生み出す“温度”や創造する“喜び”が、ページをめくる度に伝わってくるようでした。

大きな黒板ではなくても、まずは小さなサイズから始めてもOK。手に入りやすい材料で気軽に挑戦できるのもいいところです。描いていくうちに不思議とその魅力にハマってしまい、心からたのしんでいたわたし。うまくいかなくて悔しいからこそ、また次も描きたくなる、そんな魅惑の“手描きの世界”でした。

みなさんもぜひ、手描きグラフィックの奥深さ、おもしろさを体験してみてください。

タイトル:『すばらしき手描きの世界1』
著者:チョークボーイ
発行:株式会社 主婦の友社
【電子書籍あり】

本の詳細を見る

「黒板チョークアート」の作品を見る

 

文 / 林真世  撮影 / 真田英幸