「あの作品」ヒストリー vol.8 WEEKENDSTITCHさんの、赤べこグッズ

自身の代名詞ともいえるような、長年愛され続けている作品をもつ作家さんに、その作品の誕生秘話を語っていただく連載企画。第8回目は、クロスステッチ作家・WEEKENDSTITCHさんと「赤べこグッズ」の登場です。

WEEKENDSTITCH
会社の先輩後輩だったふたりで活動をスタート。オリジナルデザインの図案を、クロスステッチでひと目ひと目、手縫いした作品を制作。
https://minne.com/@weekendstitc

WEEKENDSTITCHさんの作品ギャラリーページでひときわ目を惹くのが、鮮やかな赤に身を包んだ「赤べこ」モチーフのグッズたち。クロスステッチならではのやさしい風合いと、アクセサリーや小物といった身近な作品展開で、身につける、持ち歩ける赤べことして幅広い世代から人気を集めています。

今回は、そんなWEEKENDSTITCHさんの「赤べこグッズ」ヒストリーに迫りました。

応援の想いを込めて

 

「赤べこグッズ」が生まれたきっかけをおしえてください。
WEEKENDSTITCH
2013年にクロスステッチ作家として活動を始めて1年くらい経った頃、毎年秋に六本木ヒルズで開催されている「福島フェス」の手伝いをしていた友人に、「クロスステッチで赤べこグッズをつくってほしい」と依頼されたことがきっかけです。赤べこは福島県の郷土玩具。福島を応援したい気持ちがあったのでよろこんで引き受けました。

WEEKENDSTITCH
わたしたちはふたりで活動しているのですが、それぞれ赤べこをデザインしたところ、千田の図案がとてもかわいくて即決で決まりました。(木原のデザインはそれを見て即消去)このときは、その後のわたしたちの活動の大きな転機になるとは、思いもよりませんでしたね。

 

初披露となった赤べこグッズは、会場ではどのような反応だったのでしょう。

WEEKENDSTITCH
ブローチとヘアゴムの2種類のみの販売でしたが、ありがたいことに2日間のイベントで両日完売しました。その後minneで出品を始めると、当時は赤べこは置物のイメージが強く、身につけるグッズが少なかったこともあり、たくさんの方に購入していただくことができました。

豊富な作品展開

 

WEEKENDSTITCHさんの赤べこグッズは、豊富なバリエーションも魅力のひとつだと感じます。

数ある赤べこグッズの中でもいちばん人気の「印鑑ケース」は、まあるい朱肉ケース付き。

WEEKENDSTITCH
刺繍作品は赤べこのステッチだけで2時間弱かかり、お値段もどうしても上がってしまうため、より気軽に手に取っていただけるよう、マスキングテープやiPhoneケースなどの販売も始めました。ドット絵感覚でたのしんでいただいており、ほかのクロスステッチ作品に興味を持っていただけるきっかけにもなっています。また、さまざまな作品を展開する中で予想外だったのは、男性の赤べこファンの多さです。もともと赤べこ好きだった方々が、わたしたちの作品のドット絵的でユニセックスな雰囲気を気に入ってくださり、定期的に購入してくださる方もいるんですよ。

シンプルな白いシャツに映える赤べこブローチも大人気。

 

これまで制作をし続けてきた中で、印象深かったできごとはありますか。
WEEKENDSTITCH
福島の方から、「赤べこは身近すぎて身につけようなんて思ったこともなかった。はじめて赤べこをかわいいと思いました」と、メッセージをいただいたことはとても印象的でした。他県の方から「作品を見て赤べこというものを知り、好きになりました」と言われたこともあります。わたしたちは赤べこの魅力を、赤べこを知っているひとにも知らないひとにも、ずっと届けていきたいですね。

郷土愛とともに

WEEKENDSTITCHさんのつくる赤べこは、伝統的な雰囲気を残しつつも、シンプルでユニークで、新鮮な印象があります。つくる上でのこだわりをおしえてください。
WEEKENDSTITCH
あまりかわいくなりすぎないようにすること。最初に決めた図案を崩さないようにしています。そしてあの独特の手塗りの赤べこの色を表現するため、赤い糸にはこだわりました。

鮮やかな発色と色落ちのしにくさを特徴にもつ、フランスのメーカーの刺繍糸を使用。
WEEKENDSTITCH
赤べこは郷土玩具の中でも特別なかわいさがあり、地元の方の愛も深く感じます。福島の会津木綿と合わせるなど、郷土の想いも大切にしながら赤べこのよさをアピールしていきたいですね。

 

「赤べこグッズ」はご自身にとって、どのような存在ですか。
WEEKENDSTITCH
今やわたしたちの活動そのもの、名刺のような存在です。WEEKENDSTITCHという名前を知らない方も、イベントなどでわたしたちが赤べこのブローチをつけているだけで、「見たことある!」「知ってる!」と声をかけてくださることがあります。たくさんの出会いやきっかけをもらった、大切な作品です。

 

最後に、これからの展開をおしえてください。

WEEKENDSTITCH
最近は、赤べこグッズを知ってくださった方から、他の郷土玩具のリクエストなどをいただくことも増えてきました。今後は和のシリーズを増やしていくことも考えていますので、たのしみにしていただけたらうれしいです。そして、マツコデラックスさんがとても赤べこをお好きなようなので、いつかワンピースにWEEKENDSTITCHの赤べこブローチをつけていただくのが夢です(笑)。

郷土玩具として愛され続ける「赤べこ」のさらなる魅力を開拓したWEEKENDSTITCHさんの赤べこグッズ。今回紹介した以外にもさまざまな展開があるのでぜひギャラリーページをチェックしてみてください。そして、鮮やかな赤べこはコーディネートのアクセントや差し色にもぴったり。マツコさんの胸もとに、WEEKENDSTITCHさんの赤べこがちょこんと乗る夢が叶いますように。

次回の作品ヒストリーもおたのしみに。

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取材・文 / 西巻香織