「あの作品」ヒストリー vol.9 トロワさんの、塩とあんとカルピス(株)バター

自身の代名詞ともいえるような、長年愛され続けている作品をもつ作家さんに、その作品の誕生秘話を語っていただく連載企画。第9回目は、パン屋トロワさんと「塩とあんとカルピス(株)バター」の登場です。

パン屋トロワ
東京都墨田区にある小さなパン屋さん。ひとりの頑固なパン職人が真心を込めて、粉のブレンドから生地の分割、成形、発酵、焼成までを手がける。
https://minne.com/@b-trois

 

おいしい素材、旬の食材をたっぷりと使ったトロワさんのパンはシーズンを問わず、幅広い世代に大人気。中でもロングヒットとなっているのが「塩とあんとカルピス(株)バター」。くるみを練り込んだパン生地で、たっぷりのこしあんと、生乳のように口溶けのよいカルピスバターがサンドされた、リピーターを多く持つ、お店の看板的商品です。

今回は、そんなパン屋トロワさんの「塩とあんとカルピス(株)バター」ヒストリーに迫りました。

「おいしい」を追求

 

「塩とあんとカルピス(株)バター」はいつ、どのように生まれたのでしょうか。
パン屋トロワ
独立してパン屋トロワを開業し、1年が経ったころに生まれた商品です。

下町の小さなパン屋らしい、みなさんに親しんでいただける「トロワらしいパン」を探していました。ある日、ふと「このおいしいくるみパンに、おいしいあんこ、おいしいカルピスバターをはさんだら…」と思いつき、試作を食べてみたところ、想像以上のおいしさにびっくり。実際に店頭に並べると、すぐにお店の人気商品になりました。

こしあんは十勝産のもの。トッピングされたフランス産のゲランドのお塩が、甘さを引き立てます。

 

おいしいくるみパンに、おいしいあんこ、おいしいカルピスバター。「おいしい」をたくさん組み合わせる、その贅沢な素材選びに対する心配はありませんでしたか。

パン屋トロワ
トロワは小さな家族経営のお店です。
5人家族のパパが頑固なパン職人。妻のわたしがアイデアと販売を担当しています。

はじめてこのパンを思いつき提案したとき、実は恥ずかしながら厨房での夫婦喧嘩に発展しました…。理由は「カルピスバター」の存在です。

大手のベーカリーで長年働いてきた職人にとって、そこまで贅沢な素材をパンに挟むなどありえないことでした。「パンがおいしいから普通のバターでよし」というパン職人と、「大切につくったパンには、本当においしい素材をあわせるべき」という妻の主張。お互い一歩も譲らず。徹底的に話し合った結果、カルピスバターを挟んで試してみようということになったのです。

結果は大正解。お客さまからの反響が商品化の後押しをしてくれました。

このことをきっかけに「大切につくったパンには厳選した素材だけを合わせること」「自分たちが本当においしいと思うものをつくること」「自由に発想すること」というわたしたちの大切な共通のコンセプトが確立しました。

手でつくること

 

販売後すぐにヒット商品となった「塩とあんとカルピス(株)バター」をつくり続けてきた中で、印象的だったことはありますか。
パン屋トロワ
minneに出品して数ヶ月経ったある日、突然、携帯電話の通知の音が鳴りやまなくなったんです。minneでお客さまにクーポンが配布されたようで、たくさんの方に「塩とあんとカルピス(株)バター」のご注文をいただいていることを知らせる通知でした。

パン屋トロワ
「ママの電話がこわれた!ずっと鳴っているぞ!」と3人の小さな息子たちは大興奮。わたしたちも「なにかの間違いでは?」「minneさんのシステムの不具合?電話の故障??」とおろおろするばかりでした。あの日の驚きと喜びは、昨日のことのように鮮明に覚えています。

 

minneのレビューでも、たくさんの方が絶賛されている印象です。トロワさんのパンづくりのこだわりをおしえてください。
パン屋トロワ
生地のクオリティーをとても大切にしています。生地がおいしくないとほかの素材の良さを生かし切ることができません。大胆な素材の組み合わせも、おいしいパン生地があってのものだと思っています。

パン屋トロワ
トロワのパン職人はひとつひとつのパンをとても丁寧に、手で分割・成形をして仕上げていきます。この「手作業で行うこと」はパン屋トロワにとって、おいしいパンをつくるのにとても大事な要素です。

冷たい機械などで生地を分割したり成形すると、余分な力や温度変化で生地が少しだけ疲れてしまうのですが、熟練の職人の最高の手加減によって大事に育てられたパン生地は、自然な小麦の甘みがあり、ほどよい歯切れと口溶けに焼きあがるんです。

元気のみなもとに

 

「塩とあんとカルピス(株)バター」はご自身にとって、どのような存在ですか。
パン屋トロワ
パン屋トロワの「厳選した素材」「自由な発想」「自分たちが心からおいしいと思えるものをつくる」という考えそのものだと思います。

 

最後に、新作情報または、今後の夢をおしえてください。

パン屋トロ
最近は「塩とバターミルク」という新作もたくさんのご注文をいただいています。これは息子が縦笛の練習をしながら帰ってくるのをお店の窓から見て思いついた商品で、笛のように細長いパンに「カルピスバター」を使った自家製のバタークリームを挟んでいます。ついつい両手で持って口に運びたくなるようなかたちをしたたのしいパンです。

そして、基本の食パンもひっそりと、でも確実に改良を企んでおります。これからも、パンの詰まった箱を開けた瞬間、たのしい気持ちになり食べて元気になっていただけるような商品をお届けしたいです。

 
「おいしい」を詰め込んだトロワさんのパンたち。今回ご紹介した、カルピスバターを使ったパン以外にも、胸が高鳴るような魅惑的なパンがギャラリーページにたくさん並んでいますので、ぜひチェックしてみてくださいね。自分用にもギフト用にもおすすめです。

次回の作品ヒストリーもおたのしみに。

作品ギャラリーを見る
 

「トロワのパン3種9点BOX」をプレゼント!

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取材・文 / 西巻香織