【気になるものづくり】江崎グリコの「植物生まれのプッチンプリン」

作り手の想いが詰まった新商品や、これまでになかったものづくりを見つけてご紹介する「気になるものづくり」。今回取り上げるのは、1972年の発売以降、多くの人に愛され続ける、あの「プッチンプリン」。なんと卵・乳を使わない「植物生まれ」の商品が登場し、たくさんの感謝の声が寄せられているんだとか。思いやりと、「届けたい」という気持ちがたっぷりと詰まった、江崎グリコのものづくりをご紹介します。

定番「プッチンプリン」

あの「プッチン」としたときの快感と、お皿の上でプルプルと揺れるうっとりとするようなフォルム、そして、つるっとやわらかでやさしい口あたり。

1972年の登場以降、おおよそ50年近くにわたり大人から子どもまで愛され続けるあの「プッチンプリン」のシリーズに、今年、卵・乳を使わない「植物生まれのプッチンプリン」が仲間入りしました。
進化し続ける「プッチンプリン」について、同社にうかがってみました。

「愛され続ける」ということ

ほっとするような「定番の味」として知られるプッチンプリンですが、この48年間、味の見直しは「常に」行われてきたと聞いて、驚きました。
また時代の需要に合わせ、その販売方法も柔軟に対応されてきたといいます。スーパーを利用する人が増えた時代には3つがセットになったパック販売を開始。そして、コンビニエンスストアが増えるとBigサイズの提供を始めるなど、容量や販売形態にも常に工夫が凝らされています。
実は、あの「プッチン」するつまみも、指を痛めず折りやすいよう、棒状から板状へと改善されているのだそう。

「家族で、おうちで、おいしいプリンをたのしんでほしい」そんな想いで、買い手の立場から考え抜かれた施策の数々。
しかし、プリンは卵や乳が使われたお菓子。さまざまな事情で「食べたいけれど、食べることができない」という人が多くいる、という事実もありました。

さみしい思いを無くしたい。

そこで、長い時間をかけ開発されたのが、この「植物生まれのプッチンプリン」。
アレルギーや宗教上・信条などの事情で、一緒に「プッチン」して食べることができず、さみしい思いをしている人をなくしたい、家族みんなで気兼ねなくおいしいものを食べてもらいたい、そんな想いが込められています。

原材料がまったく異なるのに、変わらない味と食感。このクオリティで販売を開始できるようになるまでには、数々の苦労があったといいます。

原料を変えても、おいしさを再現する

開発を始めた当初は、アレルギー特定27品目(現在は28品目)をすべて使うことなく、プリンをつくりたいと考え、アーモンドやマカダミアナッツなどのナッツをベースにプッチンプリンを完成させたそう。
香ばしい味わいが旨味となる一方で、「1回食べるのにはおいしいけれど、いつも食べたい味だろうか」「大人にとっては好みの味だけれど、子どもにはどうだろうか」といった意見が出てきたそう。

そこで、お子さんに特に多いアレルギー食品「卵」「乳」を使わない、ということに条件を絞り、なるべく本来のプッチンプリンのおいしさを再現することを目指します。
しかし、中心の原料である卵と乳を使わずに、あの味や食感を再現するというのは非常に難しいものでした。
新たな原料として、乳アレルギーでも摂取することができる「豆乳」を使い、また「アーモンドペースト」ではコクを、「きび砂糖」でほんのりとやさしい甘さにまとめることで、ようやく長年愛されてきた「プッチンプリン」の味わい・食感に近づけることができたのだそう。

食べることができるよろこび

「特定の原料を使わなかったり、アレルギー対応しているものは、おいしくない」そんなイメージを払拭し、積極的に家族やお友だちと食べてもらうことができるものをつくりたい。真摯な想いで向き合い続けた結果、発売後、お客様センターには「アレルギーの子どもに、はじめてプリンを食べさせてあげることができた」「一緒に“プッチン”できてうれしかった」「動物性食品を食べなくなり、十数年ぶりにプリンを食べました」とうれしい声がたくさん届き、お子さんからのかわいい表彰状や、プッチンプリンのイラスト入りのお手紙をいくつも受け取られたのだといいます。

植物性で、コレステロールも0(ゼロ)の同商品。ぜひ、これまで「食べることができなかった」「我慢していた」という方に届いてほしい、やさしさの詰まったプリンです。

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取材・文 / 中前結花  撮影 / 真田英幸