minne×The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション

7月23日より9月22日まで東京都美術館で開催される展覧会『The UKIYO-E2020-日本三大浮世絵コレクション』(※日時指定入場制)。今回コラボレーション企画として、「葛飾北斎」「歌川広重」などの浮世絵の図版18点をもとにminneの作家さんにコラボ作品を制作・販売いただくこととなりました。芸術の秋を目前に、歴史ある美術の世界を手のひらの上でぜひたのしんでみてください。

浮世絵師たちの代表作が手のひらの上の作品に

展覧会『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』が7月23日より、東京都美術館で開催されます。
太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品コレクションの中から、選りすぐった約450点の浮世絵版画が、前期・後期にわたり展示され、日本が世界に誇る浮世絵の魅力を、たっぷりとたのしむことができる史上初の催しとなっています。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 太田記念美術館
前期展示 ※後期も他館所蔵の同作品が展示されます

浮世絵の歴史を展観する約60名の絵師の代表作が一堂に会する、この貴重な展示とminneのコラボレーション企画として、今回「葛飾北斎」「歌川広重」「東洲斎写楽」などの浮世絵18点をもとに、新たな作品を生み出すことに。
名作の魅力とそれぞれのアイデアを掛け合わせ、これまでにないコラボ作品をminneの人気作家のみなさんがじっくりと制作してくださいました。

制作の裏側とあわせて、その一部をご紹介します。

「HOKUSAIブローチ | 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

fericitaさんのHOKUSAIブローチ

七宝焼きで表現された、「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の波しぶき。銀箔の上に施釉(せゆう)し、「ざらつき」を残して焼くことで、光を乱反射して繊細にきらめく様子を見事に再現している、fericitaさんの作品です。

fericitaさん
原作のダイナミックさを表現しつつ、ブローチとしての可愛いデザインを成立させるため、何度もデザイン画を描き直したこだわりのフォルムです。七宝焼きならではの「若焼き」という技法で波を表現しましたが、焼きが足りないと輝かないし、焼きすぎるとツルンとしてしまう。窯から出すときには、ドキドキとしました。原作があるものをモチーフにすることが初めてだったので、浮世絵や浮世絵にインスパイアされた海外作品なども拝見して、自分らしさと原作に魅力の掛け合わせについて、よくよく考えた作品です。

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「Sharaku」

LamipasさんのSharaku

東洲斎写楽の「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」からインスピレーションを得た、Lamipasさんのブローチ。明るいパステルカラーで再現されたグラフィックと、クリスタルやチェーンとの組み合わせが新しく、Lamipasさんの魅力もたっぷりと詰まっています。

Lamipasさん
こだわったのは、現代の感性で浮世絵にアプローチすること。浮世絵の画集を拝見する中で、その自由な表現から「見ているひとを驚かせたい」「たのしませたい」という想いを自分なりに汲み取りました。世界のポップアートについても振り返ってみると、題材にした東洲斎写楽の作品が、いかに前衛的なものであったかということに改めて驚きがありました。目を見張るようなその自由な表現は、江戸の粋なあそびが生み出したものなのでしょうか。題材に正面から向き合ってみて、わたしも好奇心を存分に刺激されました。

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「北斎 山下白雨の雲リング」

sayesさんの山下白雨の雲リング

ジュエリー作家・sayesさんが葛飾北斎の「冨嶽三十六景 山下白雨」から切り取ったのは、富士の背面に広がる印象的な「雲」。丸みを帯びながらも、繊細なラインのデザインが、手もとに優美な印象を与えてくれそうです。

sayesさん
自分の作風を生かしつつ、北斎の表現をどう作品の中に落とし込むか。とても苦悩しましたが、納得できる形に仕上げることができてうれしいです。ひとつずつ線の丸みをつくっては、切って、繋げて…という作業は非常に大変なものでしたが、できるだけ細かくそれを繰り返すことで北斎の雲に近づけることができたと思います。どこから見ても違う表情がたのしめるようオープンリングとしてデザインし、浮世絵が持つ「粋なおもしろさ」を表現することにしました。

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「ビッグトートバッグ / 里しろねこねぐらの仮宿」

frip designさんのビッグトートバッグ

歌川国芳の「里すゞめねぐらの仮宿」の色使いに魅力を感じていたというfrip designさん。原作のすずめをネコに置き換えるというユニークな転換が、コラボレーションならではの大きな魅力になっています。

frip designさん
原作の世界観はそのままに、どうぶつを大好きなネコに置き換え、着物は一層カラフルに、そして浮世絵からはすこし距離のあるドット柄を取り入れるなど、自身の作風との組み合わせをしっかりたのしむことができました。ユニークなだけでなく、トートバッグとしても魅力のあるものに仕上がるよう、色の使い方にも注意しています。浮世絵によくよく触れてみると、ピンクやブルー、ターコイズ…といった鮮やかなカラーやおしゃれな着物を発見することができ、改めてポップな魅力も知ることができました。

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「神奈川沖浪裏ネックレス兼ブローチ 2way・冨嶽三十六景 葛飾北斎」

Clover4uさんの神奈川沖浪裏ネックレス兼ブローチ

丸いフレームに収まった、葛飾北斎の「嶽嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の迫力ある波しぶき。樹脂加工で仕上げられた海は、富士に被さるように、生き生きと高いうねりを見せています。額に収めた絵画のように、胸もとに飾りたいアクセサリーです。

Clover4uさん
「あの作品だ!」と誰もが思い浮かべることができる、原作を大切にしたわかりやすさとシンプルさを両立させるデザインにこだわりました。わたしらしい表現として、塗装せず、無垢のまま残した木製のラウンドフレームを使用しています。浮世絵のつくられた背景を学んだり、和の配色本で色の組み合わせを考えたり…。改めて、浮世絵作品の細やかだけれど力強い表現や、絵師それぞれの個性や魅力に気づくことができ、今後の制作活動にもつながるような出会いでした。

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「長寿梅(白花)」

bonsaiyasuさんの長寿梅

枝垂(しだ)れる花が印象的な石川豊信の「花下美人」、そして葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をイメージして制作されたという、盆栽。誰もが知る歴史的名画を、丁寧に育てていくことができる、という新しいたのしみ方が生まれました。

bonsaiyasuさん
浮世絵と、日本の伝統文化でもある盆栽を組み合わせ、ひとつの作品にできないかと考え、木製の飾りの波しぶき越しにたのしむことができる盆栽に仕上げてみました。浮世絵が生まれた時代背景などにも触れつつ、その斬新な色使いや構図などに驚き、とにかく作品に引き込まれました。日本が誇る浮世絵、そして伝統文化の素晴らしさを再認識する機会となりました。

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「三代目大谷鬼次の江戸兵衛の真似をしている柴犬ブローチ」

ツトラボさんの柴犬ブローチ

ちょっと短い愛らしい足を精一杯広げて柴犬が真似をしているのは、東洲斎写楽の「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」。細かな図案と、くすりと笑ってしまうようなどうぶつたちの表情や仕草が魅力的なツトラボさんの作風が、コラボレーション作品として見事に落とし込まれています。

ツトラボさん
きりりとした目元、真一文字に結んだ口、一生懸命に広げた手(前足?)。そして着物の絵柄や見え方も参考にしながら、刺繍をほどこしました。以前から、本やテレビで浮世絵を目にする機会はありましたがじっくりとたのしむ機会はなく、これを機に触れてみると、それまでは一括りにとらえていた浮世絵も、絵師それぞれに個性や特徴、明確なカラーがあるのだということがよくわかりました。多くの作品を知ることができ、「好きな作品」がたくさん見つかりました。

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「ねがいをかけるひと 革花イヤリング」

One-Off kaoさんの革花イヤリング

淡いオレンジ色で表現された、石川豊信の「花下美人」の桜。繊細な革花と、帯の絵柄をモチーフにした飾り、短冊をイメージしたグレーのタッセルの組み合わせは、耳もとを可憐に飾りながら、小さな願いを叶えてくれそう。そんな、艶麗なあたたかさが美しいデザインに詰まっています。

One-Off kaoさん
これまでの制作への固定概念をなくし、普段は選ばないカラーや組み合わせに挑みました。原作では、女性がなにか書かれた短冊を桜の枝に結び付けている様子が描かれています。調べてみると、やはり「願いが叶いますように」と短冊に願いをかけるのは今も昔も変わらないようで、江戸時代にも現代の女性と同じように「ねがいをかけるひと」がいたのだと思うと、なんだか親近感がわきました。浮世絵には色選びや色の組み合わせが斬新なものも多く、革の染色をするにあたって大きな学びにも刺激にもなりました。

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「浮世絵 パズル箸置き -葛飾北斎 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏-」

waco * neco わこねこさんの浮世絵 パズル箸置き

4つのピースが組み合わされば、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が浮かび上がる箸置き。粋なおもてなし、粋な贈りものとしても選びたい、「浮世絵」そのものの魅力を最大限に生かした陶器作品に、思わず「おお」と声が漏れます。

waco * neco わこねこさん
下書きをせず一発書きで絵付けをするので、筆を持つ前に頭の中で配置を念入りにイメージします。陶器は、焼きあがりを窯から出すまで正確な色味や風合いがわからないため、「きれいに焼きあがってくれ…」と念じるばかりでした。箸置きなので、1ピース単体でもたのしめるよう配置に気をつけ、また斜めから見ても違和感が出ないように表面だけでなく側面にも絵付けをほどこしています。葛飾北斎の作品の、色彩の豊かさや構図の素晴らしさに、改めてハッとさせられました。

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文化は時代を超えて

今回、歴史ある名作に、それぞれの作家さんの視点と技術が組み合わされ、新たな作品が数多く誕生しました。
浮世絵は、江戸時代の庶民たちに愛好された、日本のポップカルチャーです。褪せぬよう、その魅力を未来に継いでいくこと。そして、そこから発展させ新たなものづくりを実現し、再びカルチャーに波を起こすこと。
どちらの大切さにも触れられる機会、ぜひ芸術の魅力をたっぷりと味わってみてください。

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展覧会「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」

文 / 中前結花