新作おしえてvol.15「nui to yuiさんの新作、小さな頃からママとシェアできるヌノトランク」

この連載では、作家さんにSNSで「新作」を募集。編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。第15回目にご紹介するのは、nui to yuiさんの新作、「小さな頃からママとシェアできるヌノトランク」です。

作り手は、nui to yuiさん

nui to yui
日々の装いにそっと馴染む子どもたちに向けたかばんと、大人も兼用できるかばんをコンセプトに制作
https://minne.com/@nui-to-yui

 

nui to yuiが生まれるまで

nui to yuiさんがものづくりをスタートしたのは10年ほど前。驚くことに、それまではものづくりとは無縁の暮らしを送っていたのだといいます。

nui to yui
ちょうど10年前、自分のやりたいことを模索している時期でした。昔から図工が得意だったことと、母や祖母がミシンをかける姿を思い出し「わたしもやってみよう!」と母からミシンを借りて小物をつくってみたいところ、どっぷりハマってしまったんです。それから“ものづくりで生計を立てる”という明確な目標を持つようになりました。

そうしてこつこつと布小物を制作しながら、イベントでの販売活動もスタート。実際に人の目に触れ、作品を買ってもらう、という経験を繰り返すうち、つくることがどんどんたのしくなっていったといいます。

nui to yui
空いている時間はすべて作品づくりに捧げました。ですが、丁寧に時間をかけて製作しても経験も技術も乏しく、自分の未熟さから価格設定を低くしてしまい、収入につながらず悶々とした日々が続いていました。
技術をちゃんと学ぼう!と一念発起し、週に1回、新潟から夜行バスで東京都内の「バッグスクール」に通いました。かばんにしようと思ったのは、身につけるものの中で、わたし自身がいちばん好きだったから。これまでにも「こんなかばんが欲しい!」とひらめくこともありました。

nui to yui
基礎をひと通り習い終わると、もっと技術を身につけたい気持ちが強くなり、一旦作家活動をストップして都内にあるランドセルでも有名なかばんメーカーで働くことに。憧れの職人さんを目の当たりにしながらたのしい日々を6年ほど過ごし、出産を経て独立を決意。

ころんとしたシルエットがかわいい「小さな頃からママとシェアできるマルのヌノトランク小
nui to yui
ここからが、nui to yuiのはじまりでした。子どもが生まれて、子ども服をインターネットで見てまわるのが日課になっていたのですが、ふと「子ども服はたくさんあるのに、子ども用のかばんは、まだそんなにないのかも」と…。そんな経験から、2020年に「nui to yui」としての制作・販売を本格始動させました。

子どもたちが使いやすいかばんを

ひと針ひと針丁寧に、細部までこだわり抜かれたnui to yuiさんの作品。そこには“小さなころからママとシェアできる”工夫がたくさん隠されていました。

nui to yuiさんの定番人気アイテム「小さな頃からママとシェアできるヌノトランク小
nui to yui
小さな子どもにとっては、ファスナーひとつ開けることも大変な作業ですよね。そこで、指を引っ掛けやすいように輪っかの引き手にしたり、出し入れのしやすさを考慮し、大きく開閉できるよう両開きのファスナーを採用しました。また、リュックの場合は肩ベルトに低反発ウレタンを入れて少しでも背負い心地が良くなるようにしています。
ほんのすこしの工夫ですが、いつも「子どもたちが使いやすいかばんを」という想いを込めて制作しています。

はさみなどの金物の道具は、金物の街として有名な新潟の燕三条で買い付けることもあるのだそう。
nui to yui
また材料や素材選び、使う道具にもこだわっています。かばんに使用する金具は蔵前の問屋街を巡り、自分の目で確かめてから決めます。とくに真鍮の雰囲気は金具屋さんによって異なります。生地は、現地までいけない場合も多いのですが、気になった生地の見本帳を片っ端から取り寄せて、必ずサンプルをつくってから決めています。微力ながら、日本のものづくりを応援させていただきたい想いで、材料も道具も出来る限り日本でつくられたものを選んでいます。

そんなnui to yuiさんの新作をご紹介します。

新作は、小さな頃からママとシェアできるヌノトランク

色味は、アカチャ✕キナリ。大・小のサイズ展開です。「お子さまの年齢や、好みに応じて選んでくださいね」とnui to yuiさん。
nui to yui
冬に向かうこの季節。コーディネートに差し色をと考え、もみじに似た「アカチャ」の生地を使い、新しいカラーの「ヌノトランク」をつくりました。
トランク型にしたのは、わたし自身古い家具や小物が好きで、特に古いトランクはディスプレイや収納など、かばん以外に使える要素もあるなと感じたからです。また、海外の子どもたちがトランクにおもちゃを入れて持ち運ぶ姿がとてもかわいくて。重厚なトランクではなく、子どもでも気軽に持ちやすいトランクを布で表現できないかなと考えたところがはじまりです。

nui to yui
小さな子どもってお母さんが帽子をかぶったり、リュックを背負ったり、携帯や鍵を持てば「わたしもー」と言っておもちゃの携帯や鍵を持ってきてよろこんだりしますよね。わたしの娘もそうなのですが、お母さんと同じようにかばんを持てたらよろこぶ子がたくさんいるはず、お母さんも子どもと共有できたらうれしいのでは、と考え「小さな頃からママとシェアできる」を軸につくりました。

nui to yui
ヌノトランクのつくりは、数mm単位の誤差が最後のまとめミシン(胴体側とマチ側をドッキングする最後のミシンのことです)に影響します。どうしても直線とカーブの縫い合わせはずれることが多いうえに、あくまでも布なので多少の力で伸びてしまうことも考慮しながら何度も型紙をつくり直しました。そこから、裁断→ミシンと丁寧に行うことで、きれいなトランクの形ができあがります。

nui to yui
また、大小のトランクを重ねたときや親子で持ったときにぴったりなフォルムに仕上がるまで、トランク自体の大きさやカーブ具合を何度も調整しています。
ある日できあがったばかりのアカチャのヌノトランクを見つけた娘が「ママこれかわいいねー」って絶賛してくれました。過去にはいらないって言われたも作品も(笑)。母娘おすすめな一品に仕上がりました!

最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

nui to yui
最後までお読みいただき、ありがとうございます!感謝の気持ちをかばんのなかにたくさん込めて、これからも「子どもたちに向けたかばんと、大人になっても使いたくなるかばん」をつくり続けていきたいです。
・小さな頃からママとシェアできるヌノトランク大
https://minne.com/items/25127642
・小さな頃からママとシェアできるヌノトランク小
https://minne.com/items/25014155

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文 / 堀田恵里香