【竹尾連載】紙のはなし第9回:上質な紙文具のための「ステーショナリーペーパー」

300銘柄9,000種類もの紙を扱う、紙の専門商社・株式会社竹尾さんに、毎月素敵な紙をご紹介いただく連載。第9回目は、紙文具に特化した「ステーショナリーペーパー」についてお話をうかがいました。

語り手は、株式会社竹尾・企画部の相田さんです。

今回は、数ある紙の中でも封筒や便箋、カードや手帳など、「書く」ことを前提につくられた、紙文具のための紙「ステーショナリーペーパー」をご紹介します。

上質な紙の証「ウォーターマーク」

みなさんは、ホテルの客室に備えつけてある便箋や、企業・公的機関の公式書状用の便箋などのレターヘッドをご覧になったことはありますか?
あれらの便箋の多くに使われているのが、ステーショナリーペーパーです。

書き味がとても良いのが特徴で、1枚1枚の紙をよく見ると、透かしが入っているものや、手触りの良いものなど、それぞれに個性と品格を感じます。この透かしは「ウォーターマーク」と言い、紙に対する製紙メーカーの品質保証の証なんです。

アメリカ発のステーショナリーペーパー「クレーンクレストウーブ」を一例として見てみましょう。

陽の光にかざすと、このように浮かび上がるのがウォーターマークです。銘柄名のCRANES CRESTのロゴと、100%Cottonという材質表示を組み合わせたデザインが素敵。

クレーンの名を冠したステーショナリーペーパーは、アメリカではスタンダードなブランドです。1770年代にマサチューセッツ州で製造されたものがはじまりという、とても長い歴史を持つ紙なんですよ。どことなく風格を感じますね。

国産のステーショナリーペーパーでも、かわいらしいウォーターマークが入ったものがあるので、ぜひご紹介させてください。

「スピカレイドボンド」というステーショナリーペーパーです。スピカは乙女座のなかで最も明るい星の名前。それにちなんで、点と点を線でつないだ星座のようなロゴマークになっています。

スピカレイドボンドの手帳とノートブック。この「ボンド紙」と呼ばれる紙は、小切手や証券にも使われてきた上質な紙を指すのだそう。「万年筆やペンでの書き味も良いため、手帳の本文用紙にも使われています」。

ウォーターマークのデザインは紙ごとの個性が表現されていて、おもしろいですね。

ウーブとレイド。「質感」にご注目

続いては、ステーショナリーペーパーの質感についてです。大きく「ウーブ」と「レイド」の2種類に分けることができます。

1880年代後半のイギリスで生まれたブランド「コンケラー」のステーショナリーペーパーを例に見てみましょう。
コンケラーは、その当時、手漉きが主流だったウォーターマーク入り用紙の「機械抄き」に成功し、タイプライターの普及を背景に広まっていったステーショナリーペーパーで、今でも世界中で愛されています。

こちらは「コンケラー・ウーブ」というステーショナリーペーパーです。ウーブとは、織り目という意味で手触りはとてもなめらか。紙を抄きあげる際の金網の細かな網目が表面に繊細な風合いをつくっているのがわかります。

一方の「コンケラー・レイド」は表面に凹凸による縞が入っています。ステーショナリーペーパーが手漉きだった時代からの伝統を感じさせる、簾の目(すのめ)模様です。

ウーブとレイド、どちらも心地よい書き味です。どちらがよりお好みかぜひお試しくださいね。

封筒と組み合わせて

こちらはコンケラーのメッセージカードに、色紙の封筒を合わせてみたもの。少し現代的な雰囲気になりました。
封筒とメッセージカードを同じステーショナリーペーパーでおつくりいただくと、よりクラシックで風格を感じさせる仕上がりになりますよ。

さいごに

「書く」ために生まれ、紙文具に特化したステーショナリーペーパー。ぜひその書き心地を体感してみてはいかがでしょう。

竹尾には他にもたくさんの紙があります。
みなさんのものづくりにご活用いただけたらうれしいです。

それでは、次回もおたのしみに。

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編集 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸